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農林水産省

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<フリマサイト・通販サイトを利用される方へ>植物・昆虫類の販売・購入に気を付けてください!

フリマサイト・通販サイトでは様々な植物類、昆虫類が販売されていますが、植物類・昆虫類の輸入又は国内の一部地域からの移動については、植物防疫法に基づき規制されているものがあります。
このページでは、フリマサイト・通販サイトでの植物類・昆虫類の販売・購入の際に、植物の防疫の観点から、ご注意いただきいたい点についてお知らせします。

✔フリマサイト・通販サイトでの販売・購入時に植物防疫の観点から気を付けていただきたい点

        1. 【まずはじめに】病害虫は色々な方法でまん延します
        2. 一部の植物・昆虫類、土、土付き植物は輸入が禁止されています
        3. 一部の植物は、沖縄県、奄美群島等からの移動が制限されています
        4. 一部の都道府県で生産された種馬鈴しょ(ばれいしょ)の移動は、検査・表示ルールがあります
        5. 病害虫が付着した種苗に注意してください

1. 【まずはじめに】病害虫は色々な方法でまん延します

病害虫(植物を害する昆虫や菌など)は、病害虫そのものの移動のほか、土や病害虫が寄生・感染した植物の移動を通じて発生が拡大します。
特に種苗は、ほ場に直接植え付けられ、栽培・増殖されることから病害虫をまん延させるリスクが高いものになります。
このため、植物防疫法では病害虫そのもののみならず、病害虫が付着するおそれのある植物の輸入や国内の一部地域からの移動について、制限を設けています。

(ア)病害虫自体の移動、(イ)土を介した移動
      (ア)病害虫自体の移動                      (イ)土を介した移動         

(ウ)種苗を介した移動、(エ)生産物(生鮮野菜、果実等)を介した移動
      (ウ)種苗を介した移動                    (エ)生産物(生鮮野菜、果実等)を介した移動

2. 一部の植物・昆虫類、土、土付き植物は輸入が禁止されています

農林水産省では、海外からの病害虫の侵入を防ぐために、輸入植物検疫を行っています。
一部の例外を除き、植物(苗、種子、果実、野菜、穀類など)は、輸出国政府が発行した検査証明書(phytosanitary certificate)が添付されていない場合、輸入できません。
また、以下のものについては、病害虫の侵入防止のため、輸入が禁止されています。
  • 輸入時の検査での検出が困難な、重要な病害虫が発生している国・地域からのこれらの病害虫の寄主植物
  • 病害虫そのもの(国内にいないものなど、輸入植物検疫の対象とするもの)
  • 土、土が付いた植物
上記の輸入できないものに該当しない植物については、一定の条件を満たし、輸入時の検査に合格した場合、輸入が認められます。
なお、通販サイトで購入した植物が海外から発送される場合は、輸入に当たるため、上記の規制が適用されます。
そのため、購入時には植物の発送元を確認の上、海外から発送される場合には、その植物が輸入が禁止されているものでないかどうかや、必要な条件(検査証明書の添付など)が満たされることを確認してください。
輸入禁止品や必要な条件を満たしていない植物を輸入した場合等は、植物防疫法に基づき懲役又は罰金が科せられることがあります。
詳細は、下記リンク(植物防疫所サイト)をご覧下さい。

輸入植物検疫:植物防疫所 (maff.go.jp)

3. 一部の植物は、沖縄県、奄美群島等からの移動が制限されています

沖縄県、奄美群島等においては、国内の他の地域に発生していない病害虫が発生しており、これら病害虫のまん延を防止するため、植物防疫法に基づき、サツマイモ(紅イモ)、エンサイ(空心菜)等の一部の植物等の国内の他の地域への持ち出しが制限されています。
手荷物だけでなく、宅配便、郵便小包などによる持ち出しも制限されていますので、該当となる地域からの植物の出品・販売・購入に当たっては、十分注意いただくようお願いします。
詳細は、下記リンク(植物防疫所サイト)をご覧下さい。 
 
  植物等の移動規制について:植物防疫所 (maff.go.jp)

国内での移動規制植物の一例(サツマイモ)国内での移動規制植物の一例(エンサイ)
国内での移動規制植物の一例(サツマイモ・エンサイ)

4. 一部の都道府県で生産された種馬鈴しょ(ばれいしょ)の移動は、検査・表示ルールがあります

馬鈴しょ(ばれいしょ)は栄養繁殖(※1)により増殖されるため、種いもの病気が生産に及ぼす影響が特に大きい作物と言えます。過去には、病気のまん延により、馬鈴しょの生産に大きな被害が生じました。
このことを踏まえ、健全な種馬鈴しょを確保するために、植物防疫法に基づき、種馬鈴しょ生産が多く、他地域への移出が多い都道府県(※2)を対象に、種馬鈴しょの栽培期間中に、病害虫がないことを確認する植物防疫官による検査を実施しています。
対象となる地域で生産された種馬鈴しょは、植物防疫官による検査に合格したことが分かる証明書などの添付がないものは、移動(譲渡・販売など)することができません。
対象となる地域で生産された種馬鈴しょは、合格証票が添付されたものを購入してください。
詳細は、下記リンク(植物防疫所サイト)をご覧下さい。

  国内種苗の検査について:植物防疫所 (maff.go.jp)

検査合格証票サンプル
   検査合格証票サンプル

(※1)種子で増殖するのではなく、茎、根、葉などの栄養体から次の世代の植物が増殖する方法を栄養繁殖と言います。栄養繁殖では、親植物が病害虫に寄生・感染している場合、当該親植物から得られた次の世代の植物は、病害虫に寄生・感染しているリスクが非常に高いです。
(※2)北海道、青森県、岩手県、福島県、群馬県、山梨県、長野県、岡山県、広島県、長崎県及び熊本県
   
栄養繁殖(ジャガイモは種イモにより増殖)
       栄養繁殖(ジャガイモは種イモにより増殖)
病気に感染した種イモの移動は、移動先で病気をまん延させます
      病気に感染した種イモの移動は、移動先で病気をまん延させます

5. 病害虫が付着した種苗に注意してください

(1)種苗による病害虫のまん延について
サツマイモ、馬鈴しょなどのイモ類、果樹の苗木は個人(家庭菜園等)でも増殖が可能です。
しかし、種苗会社が徹底した病害虫防除などの管理を行った上で生産し、適切な処理が行われた種苗と比較して、個人が栽培した種苗は、病害虫が寄生・感染しているリスクが極めて高くなります。
これらの種苗の利用は植え付けほ場のみならず地域への病害虫のまん延にもつながるおそれがあるため、これらの利用は慎重に検討するとともに、出品・販売に当たっては十分注意いただくようお願いします。

(2)病害虫が付着した種苗を見分けることは困難
一見、健全に見えても病害虫が寄生・感染している場合があり、一般的には見分けることは困難です。
また、病害虫の中には土を介して感染が拡大するものもあり、種苗に付着した土も注意が必要です。
これらの種苗・土により病害虫がまん延した場合には、自身のほ場のみならず、地域のほ場にも被害を及ぼす可能性があります。

左図:症状が見えづらい病気の例(イチゴ萎黄病(赤丸が症状))(千葉県農林総合研究センター原図)、右図:土に混入した病害虫(シストセンチュウ)
左図:症状が見えづらい病気の例(イチゴ萎黄病(赤丸が症状))、右図:土に混入した病害虫(シストセンチュウ)
  ※左図:千葉県農林総合研究センター原図

寄生・感染した種苗を導入することにより病害虫は増殖・まん延します(イメージ図)
寄生・感染した種苗を導入することにより病害虫は増殖・まん延します(イメージ図)

(3)種苗により発生が拡大した可能性がある病気の一例
種苗により発生が拡大した可能性がある病気として、サツマイモ基腐病(カビの一種)があります。
基腐病は、茎、種イモが褐変し、被害が激しい場合は萎れて枯れ、腐敗し、商品価値を失うサツマイモの病気です。
平成30年度に沖縄県、鹿児島県及び宮崎県のサツマイモ生産地において初めて基腐病が確認され、大きな問題となりました。
令和5年10月1日現在、33都道府県で基腐病が確認されておりますが、県外から持ち込まれた苗や種イモを介して発生が拡大した可能性があります。

左上図:基腐病発生ほ場、左下図:基腐病発病イモ、右図:基腐病発生都道府県(赤色が発生都道府県)
左上図:基腐病発生ほ場、左下図:基腐病発病イモ、右図:基腐病発生都道府県(赤色が発生都道府県)
  ※左上図、下図:「生研支援センターイノベーション創出強化研究推進事業(01020C)及び戦略的スマート農業の開発・改良(SA2-102N)
                          令和4年度版マニュアル「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策」より

  


お問合せ先

消費・安全局植物防疫課防疫対策室

担当者:国内防除第2班
代表:03-3502-8111(内線4562)
ダイヤルイン:03-3502-3382